会社の同僚がわたしのブログをチェックしているらしいのは知っていますが、これは同僚に向けてではなくみなさんに言いたいと前々から思っていたことです。
同僚への当てつけに見えるかもしれない…と思い書かずにいましたが、同僚が見てるか見てないかで書く事を制限されるのもおかしいなと思ったので書くことにしました。
同僚さんへ…わたしの事を思っての発言だと思いますので、申し訳ない気持ちを持たなくても大丈夫ですから。
あなたからだけではなく沢山の方から同じように言われている、そしてその中には意識的にであれ、無意識であれ、発言している人もいるということを知って欲しいのです。
そしてわたしたちアトピー患者はその言葉に晒され続け疲れている面もあります。どうか、そっとしておいていただけると幸いです。
個人的な前置きが長くなりすみません。
その「かわいそう」はどこから来たの?
わたしは幸せです。このような事を知らずに生きてこれたのだから。
わたしのブログに「アトピー 疲れた」というキーワードで来られた方がいらっしゃいました。
はて、どういう検索結果が出るのだろう?とわたしも検索してみたら、おそろしい結果でした。
痒くて辛くてどうにもできない、もう疲れてしまった…という内容。
更にそこから関連のリンクを辿っていって驚きました。
世間には「アトピーの人って掻くことをガマンできない忍耐力、精神力の弱い人が多いんですね」みたいな意見があるのです。
どのくらい痒いのか?はこちらの記事をどうぞ
アトピー患者の目の前では言わないけど、周りにそういう人がいなかったり、健康な人としか付き合ってこなかったらそういう考えになるのかもしれませんね。
わたしは小さい頃から「アトピーかわいそう」とか「掻いちゃったの?かわいそう」と言われ続けてきました。
さて、ほんとうに”かわいそう”な事でしょうか?その「かわいそう」はどこから来たの?
アトピーに限らず、治らない病気にかかってしまった人というのは確かに健康に生まれて来られなくて「かわいそう」なのかもしれません。
でもそれは健康な人が言うセリフではないですよね?
こどもが騒いだりして、そのこどもの親本人が「こどものやった事だから!」っていうとか
クレーマーが「お客様は神様だろう!」ていうとか
そういうたぐいのものですよね。
健康な自分からみて、健康でないあなたは「かわいそう」なのです。
わたしは自分が掻いてしまってかわいそうだとか思ったことがありません。
ああ、また掻いてしまった…と自己嫌悪に陥ることはしょっちゅうありますが。
そもそも寝ている間に掻いてしまって制御がきかなくても同じように自己嫌悪なのです。
わたしは時々背中から血が出ているようなのです。同僚に「掻いちゃったんだね、かわいそうに」と言われて気づきました。
掻いたのは寝ている間でしょう。仕事中はなるべく掻かないようにガマンしています。
もし痒くてどうしようも無い時は、血が出ない程度に軽く掻いたり、さするとか薬を塗るとかして対応しています。
でも「掻いたんだね、かわいそう」と言われる事により
「掻いてしまったんだ…」と自分を責めてしまいます。
始めに書いた同僚もそうですが、発言した方が悪い!ということではありません。
どちらが悪いという話ではなく、「掻く」に限らずダメと言われ続けている事をしてしまう自分に罪悪感を持ってしまうのは仕方のない事です。
- お酒を飲んだらダメと言われているのに飲んでしまった。
- タバコを吸ったらダメと言われているのに吸ってしまった。
- 甘いものは控えろと言われているのに食べてしまった。
などなど
生まれつきのアトピー患者は物心ついたときから「掻くな!」と言われ続けてきていますので、掻いた事やアトピーについて触れられると怒られている気持ちを持ってしまうのです。
アトピーきもい!はアトピー患者であれば誰しも言われた事があるフレーズだと思います。
だからアトピーでかわいそうって言われたら、アトピーできもくてかわいそうって思っちゃうんですよね。
だからどうか、アトピー患者を見ても「かわいそう」って言わないであげてくださいね。
本人はかわいそうだなんて思ってませんので。
普通の人間として生活しているつもりですので。
「かわいそう」という言葉のイミは…
そもそも「かわいそう」ってどういう意味なのでしょうか?
Googleで検索するとこのような結果が出てきます。
みじめな状態にある人に対して、同情せずにいられない気持であること。ふびんなさま。
発言する事により「あなたはみじめな状態だね」と言っているのと同じなのです。
そもそもが上から目線、マウンティング言葉なのです。
優しそうに聞こえますが、言われた方は落ち込みます。口癖になっている方は気をつけましょう。
「かわいそう」の代わりに使う言葉は?
けっして相手のことを「みじめだね」と思っていない!という場合は「かわいそう」ではなく
共感の言葉を使いましょう。
たとえば「大変だね」は共感しているので、言われた側も不快には感じません。
場合によっては「(ケーキ食べられなくて)残念だったね」とか「(かゆいんだもん)仕方ないよね」もいいかもしれません。
※言いすぎるとイヤミに聞こえるので注意
病気に対してあまり言うものではない
どちらにしても病気の事はあまり口出しされたくないものです。
治してくれるとか、改善方法を教えてくれるのならともかく、感想(?)を言われるだけなのですから。
それならそっとしておいて欲しい。本当に気の毒に思っていてかわいそうに思っているのなら、何も言わずにいてもらえるのが1番嬉しいです。
あ、でも服に血が付いてたら教えてほしいです><
「血が付いてるよ」だけでいいので…
アドバイスも止めた方がよい
アトピーではないのに聞きかじったアドバイスをするのもやめてほしいです。
特に多いのが、化粧品や食べ物、生活習慣についてのアドバイス。
自然の物なら大丈夫!と思っている健康な人、とても多いです。
ぶっちゃけ合成化合物が入っててもアレルギーが出ない物を使いたいです。
3年前くらいだったかな?「鉱物油や化合物が入ってる物は使わない方がいいよ」と言われ天然オリーブオイル100%の化粧品に変えたら顔がただれました。
病気の事知らないのに、聞きかじったアドバイスはしない方がよいです。
信じて試してひどい目に合うのは病人本人ですから。まあ信じたお前が悪いと言われればそうなんですけど…
よく不妊治療の話で聞きますよね「言われるアドバイスはすでにやってる」
病人は自分の病気のことを調べまくってますので、あなたが知っている知識はもうすでに知っている事が多いです。
1番困るのは「それはアレルギーが出るから」と言っているにも関わらず「それはその時使ったやつの質が悪かっただけ!これは大丈夫だから!」とゴリ押しされる場合です。
断るのもしんどいので、できれば一回お断りしたら引いてほしいです。
自分の意見が否定されたと思って反論されることが多いのですが、そういう事じゃないんです。
ほんとこれしんどいので、やめてほしいです。
これについては詳しくこちらの記事でも書いてますので、良ければ読んでください。